『僕の先輩』 羽生山へび子
ミリオンコミックス CRAFT SERIES 40
「BLで面白く読める本を教えて」と友人に尋ねたとき、最初にすすめられたのが『僕の先輩』でした。
作者は、九州在住だった羽生山へび子先生です。
作中に時々出てくる博多弁がなんとも魅力的で、ナチュラルな方言にぎゅっときます。
また、人物同士の距離感や場の空気を自然にやわらげてくれます。
BL作品ではありますが、重すぎる雰囲気はなく、ギャグのテンポが軽快です。
登場人物たちのやり取りには勢いがあり、恋愛の甘さだけでなく、会話の面白さやキャラクターの愛嬌にも引き込まれました。
深刻なドラマをじっくり味わうというより、少し肩の力を抜いて、笑いながらBLの世界に入ってみたい人に向いています。
BL初心者にもすすめやすく、読み終わったあとには、登場人物たちがどこか身近に感じられました。
惜しむらくは、羽生山先生が急逝されてしまったことです。
もっと多くの作品を読んでみたかったと思わせる作家さんで、この一冊を読むと、その才能と独特の明るさがいっそう惜しまれます。
楽しく軽やかな作品でありながら、読み終えたあとに少しだけ寂しさも残りました。
笑って読めるのに、作家さんの不在まで含めて記憶に残る一冊です。
管理人N


