オンライン・忘年会をひらきました

染谷記

(2019年12月、浅草のセーヌ川〈別名隅田川〉脇のカフェ・ムルソー〈CAFE MEURSAULT〉で行われた若衆研の忘年会。そこから見える駒形橋の夜景。美しい中にどこか懐かしさが漂うのは、その名前からか。)

本来なら今年、3年ぶりのパーティを浅草でする予定でした。でも残念ながらオンラインになりました。まだ、コロナの危険が去ったわけではないからです。知る人ぞ知るですが、若衆研のパーティの盛り上がりは異常ですから、ちょっと危ないのです(笑)。

ただ、オンラインにはオンラインの、気軽な楽しさがあって、トークに花が咲きました。
その時の感想を参加された皆さんにちょっと書いていただきました。

・枯れかけている腐魂を、活性化させていただきました。これからも、現実とファンタジーのはざまで、生きて行きたいと思いました。T.O.

・BL作品の実写化が追いきれないくらい、との楽しい話題でしたが、BLジャンル以外の映画、ドラマ、アニメにも、結構ふつうにメインの男性キャラ同士の恋愛が描かれるようになっているので、その発表会ができるといいですね!K.D.

・金髪と黒髪の組み合わせに目がない(性?!)癖は、「秋田書店の王道少女漫画がルーツ」というO先生のお言葉に目から鱗でした。次回は皆さまの好きなカップリングや設定、それはどこからきているかも聞けたら楽しそうだなと思いました。T.U.

・多様性をリスペクトしあうことの難しさも考えさせられ、朝鮮半島統一問題やロシア・ウクライナ問題などにもおよぶお話が聞けてよかったです。J.B.

・「なぜ明治以降、若衆絵がなくなっていくのか」そして「中国で聖域化している敦盛の人気ぶり」のお話など。制限で隠された「好き」。その発掘作業、気持ちが燃え上がります!K.N.

あと、畑中千晶さんからは、大学での授業で今年一年取り上げた『男色大鑑』(武士編・歌舞伎若衆編)の、学生さんたちの反応などの話がありました。これも面白く盛り上がりました。

なお、私からは、昨今手に入れました、明治の挿絵画家・一條成美の若衆画をお示しして、ミュシャに影響された一條の画業と、若衆絵の美しさについて、ちょびっとお話をしました。その若衆画とは、以下の物です。

一條が若衆の絵を描いていたとは全く知らなかったので、驚いたのですが、どうです、なかなか良い絵じゃないでしょうか。『男色大鑑』では美しい若衆が登場した際に、必ずと言って良いほど、この世のものとは思われず、というような表現が付きますが、まさにそんな感じですね。こんな感じで、しかも腕っぷしが強いとあれば、それはもう武士のみならず、人倫の花と言って良いでしょう。

中世以前は稚児、近世以降は若衆、これが日本社会の〈美〉の一角を占めていたことは間違いありません(いや、中心の一つであったと言っても過言でないでしょう)。ところが、いま作られたり、放送されたりする映画や時代劇に、この若衆が登場することはほとんどありません。

これは、シンデレラ城のないディズニーランド、ライオンや虎などの猛獣がいない動物園、ローソクを買い忘れた誕生日会のケーキみたいなもんで、物足りないと言いますか、花がないと言いますか、本当に残念なことです。

たぶん、制作や脚本家の皆さんは、稚児や若衆の日本社会での意義や意味の重さが分かっていらっしゃらないのだと思います。稚児や若衆の存在は、単にセクシュアルな問題に留まりません。日本社会の構造を成す重要なファクターなんですがねぇ。

来年の大河ドラマは家康の再々登場ですが、はてさて若衆の面々は登場しますかどうか。ま、期待しましょう。

若衆研代表・染谷智幸

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